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複業と副業への考察『サラリーマン副業2.0』by 小林昌裕

サラリーマン副業2.0

副業という言葉を聞くようになって久しい。最近では本業の他に複業という言葉も使われるようになり、ますます興味を持つ人も増えています。意識せず数年前から複業を生業にしてきた私の周りにも、会社員としての収入の他に副収入・複収入を得たいからアドバイスを受けたいという方が増えていることもあり、書店で見かけた本書を手に取り、複業と副業について考察しました。

遂に副業の時代がやってきた!2018年は副業元年の年

サラリーマンのお小遣いは1990年の月額77,725円をピークに右肩下がり、2019年には月額36,747円となり、1979年の調査開始以来過去最低から2番目の金額となりました。お小遣いがダウンした人(8.5%)とお小遣いがアップした人(8.4%)の割合はいずれも同数程度。そのうち、お小遣いがアップした人の理由として2番目に多いのは「副業を始めたから」(15.2%)となっています。(新生銀行「2019年サラリーマンのお小遣い調査詳細レポート」より抜粋。数字はいずれも男性会社員のみ)

『サラリーマン副業2.0』(PH研究所、小林昌裕著)でも記載のある副業元年の2018年1月に何が起きたかというと、“厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成。副業の壁だったモデル就業規則の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除し「原則的に副業を認めるべきだ」と副業解禁にかじを切った”のです。(2018年5月6日付『日本経済新聞』電子版より抜粋)

2019年9月現在、副業を認めている大企業の中にはパナソニック、日産自動車、サントリーなどの老舗メーカーをはじめ、新生銀行、丸紅、Yahoo!など業種を問わず増えてきています。

副業をスタートする最大のきっかけは将来への不安から!?

そもそもなぜ副業に興味を持つのでしょうか?ネット系の調査では「収入を増やしたい」というのがその理由ですが、本書で挙げられているのは「将来への不安」。平均寿命が伸びる中、景気後退や超高齢化社会による税収減による年金基金の減少により、年金受給年齢がジワジワと上がってきています。

野村證券の調査によると退職金もピーク時の1997年に比べると1,000万円も減少(「退職金はピーク時よりも1,000万円減、あなたは何歳まで働く?」)していて、私たち現役世代の多くは「会社からは55歳くらいから早期退職を求められるのに、年金受給開始は65歳以上から、退職金も減っている」とボヤく先輩方を会社で目の当たりにしたり、ニュース等で見かけています。

長生きは寿?

私が副業に興味を持って具体的に動き出したのは会社員3年目の頃、我が家は祖父母が99歳〜88歳まで存命したという長寿家系な上に、中には10年近くも入院したので、ボンヤリと「お金、足りるのかなぁ」と思い始めたのがキッカケです。92歳で亡くなった祖父は若い頃ある程度の資産を築きましたが「何歳まで生きるか分からん、お金がなくなるのが怖い」とずっと話していたことも動機の一つでした。

副業への3ステップ

私が副業に興味を持ち始めた頃は本書はありませんでしたし、具体的なハウツー本もなかったのですが、この本を書店で手にとって「良いな!」と思ったのはスタートのステップがわかりやすいから。ポイントは3つ。

1.やると決める
2.心構えをつける
3.動き出す

私もそうでしたが、副業に興味を持つ多くの人は1と2をすっ飛ばして、いきなり3からスタートすることが多く、結局途中で挫けてしまいますが、それよりも何よりも大切なのが1の決断と2の心構え。この2つのステップの中には目標設定も含まれます。いきなり月収20万円!という目標も良いですが、それだけのビジネスをスタートさせるにはハードルも高いですし、準備にも時間がかかります。まずは3〜5万円を目指して”小さくスタート”させることも長く続けるコツ。本書ではアンケートモニター、ウーバーイーツ、エキストラ出演など、1回数百円〜数千円稼げる副業の具体例もたくさん紹介されています。

お金だけじゃない副業のメリット

ここまで副業といえばお金、という視点でご紹介してきましたが、本書で紹介されている副業のメリットにはお金だけじゃないこともたくさん含まれています。

1.人脈が広がる
2.タイムマネジメントが上手になる
3.能動的に動けるようになる
4.コミュニケーション力が高まる
5.決断力がつく

普段はBtoBで仕事をされているという方でも、副業をスタートするとBtoCやCtoCが増えます。そうなるとお客様との接点も増えてくるため、必然的にコミュニケーション能力や交渉力、決断力が身についてきます。また営業がお客さんを獲得してくれる会社と違い、自分が何もしないと当然お金は入ってきませんから能動的に仕事を拾いにいく行動力が身につきます。本業をやりつつ自由時間に副業を続けるためには、効率よく作業を進めていくクセがついてくるので、ダラダラ続けることが減り、テキパキと仕事をこなすようになるでしょう。

副業の辞めどきと複業へのスライド

これらの副業で身につけたスキルは本業のビジネスにも反映され、中には本業が忙しくなったり、出世するという方もいるかもしれません。その場合は一旦、副業を辞めても良いですし、複業にスライドさせるのも良いでしょう。要は稼働時間を減らす、あるいはアルバイトを雇って自動運転モードに移行するということですが、ある程度お客様のネットワークが広がっていたり、定期収入が得られるのであればそれも良いかもしれません。

私は現在6つの収入の柱を持っていますが、うち半分はほぼ自動運転です。月収に占める割合は1割強〜2割と多くありませんが、何もしなくてもお金が入ってくるのはありがたいですし、副業を始めた頃は、毎月家賃相当分を得られていることが目標だったので達成できて嬉しいです。現在の目標は「ほぼ自動運転だけで家賃+生活費をまかなえるようになること」です。新しもの好きの私は常に新しいことにチャレンジしたいので、これが達成できると、心置きなくいつも新しいことに挑戦できるようになるからです。

人によってゴールはさまざま。誰と比べる必要もないのも、副業と複業だと思います。自由すぎると中だるみしたり、迷走しかねないので、3年後、5年後計画を立てながら進めていくのがオススメです。

副業に追い風の今、始めないと損!

副業元年の2018年まで、副業といえば会社だけでなく社会的にも認知度が低く、コソコソするイメージがありました。また、その頃の副業といえば「不動産投資」「株式投資」「出版」「講演」などがメジャーで、スタートするのに時間や資産が必要だったり、コソコソできないデメリットも大いにありました。

そう考えると、副業について追い風が吹いている今は正に「始め時」です。大手企業の多くは、ある程度の制限を設けつつも認める方向で動いていますし、中小企業の多くも「ノーとは言えない」会社が増えてきているからです。私のコンサル生の方で人事部に問い合わせたところ「今はまだ具体的に決まっていない」と言われたという方も「副業として何をしたいか、どんなメリットがあるか、それによって本業には影響を及ぼさない」と粘り強く交渉することで「OK」になったという方もおられます。中には内緒でコソコソやらざるを得ないという方もおられますが、もし交渉の余地があるなら聞いてみるのも良いのではないでしょうか。